”自分を認める”ってどうすればいいの? 『それでいい。』と受け入れる方法

書評

「ツレがうつになりまして。」がベストセラー、映画化にもなった漫画家・細川貂々さんが、
精神科医の水島広子さん(『女子の人間関係』という本を書かれた方です)に会いに行き、

自身のネガティブな性格についてどうにかしたい、
とその現状や解決策をあれこれ対話した模様をおさめた作品。

読みやすい漫画形式です。

細川さん自身、はっきりとうつ病その他の精神障害を患っているわけではないけれど、
日々の生活の中で息苦しさを抱えている。
それは、ネガティブな思考回路や対人関係が苦手な性質によるものだっていう自覚がある

水島先生は、そういった悩みに対して
「対人関係療法」という治療法でアプローチすれば効果的なのでは? と投げかけます。

対人関係療法とは?

「対人関係療法」についてどんなものか、本書の内容を一部引用します。

病気は対人関係の中で発症し対人関係のおかげで治るってところに焦点を当てていく治療法です。(中略)
人との交流の中で人間同士のコミュニケーションを通していろんなことに気がつけるようになると、
ある程度人に対する信頼感、
自分に対する信頼感が出てくる。
そうすることで今現在の生活を良くしていく。
健康的で常識的な人間関係を学んでいくというものです。

 

ネガティブも大事
自分の中にわいてくる感情ってたくさんのものがあります。いろんな種類のものがある。
良いも悪いも一緒くたにして、楽しい・幸せ・嬉しい・寂しい・つらい・悲しい、その他膨大な感情たち。
その全部、感じていいものなんだ、それが人間として当たり前なんだという原点に立ち戻ること
そこから、この「感情」が何を発しているか、どんなメッセージを表しているのかを受け取って意味付けをしていけば、建設的に心が楽になる。

 

症状は身体が発するサインだ。

もしも心が辛いと悲鳴をあげていたなら、それは人間関係が上手くいっていないとか、
今やっている仕事が自分に合っていないとか、
何かしら問題があることを教えてくれている証拠だということ。

感情や体の発する声を無視せず、言わば自分の中の「子供」の縦横無尽さに身をゆだねて意味を汲み取り、そこから解決策を探す、という考え方です。

ネガティブな感情にも意味がある

ネガティブな感情も、『それでいい』、と受け入れてあげてからスタートする。

人間の変化は、現状の肯定からしかあり得ないんです。

無理に人と仲良くしなくてもいい。
自分を中心にして、家族や恋人・親友を「重要な他者」とする第一層。
友人や親戚など「そこそこ仲良しな人」を第二層。
職業上の関係を第三層として、円状に人間関係を捉えた時に、
とりあえず「重要な他者」とまあまあ円滑な関係が築けていれば、他層については深く考えなくても良い、
無理に仲良くしようと思わなくても良い。

仲良くしたいとおもう人だけ重視してあとはそこそこでいい。
そう思うことを自分に許してあげる。

職業上の関係である第三層のひとたちとの関係性によって、
例えばモラハラ・パワハラなんかでうつを発症してしまうケースもあるにはあるけど、
そういうときって、第一層の「重要な他者」との関係性が上手くいっていない場合が多いとか。

「それでいい。」とありのままを受け入れることから始める

自分をありのまま受け入れる、認めてあげる。
人間だからこれくらい仕方ない、と丸をつけてあげる。

人によっては妥協と受け取られるかもしれない。
けれどまずは、自分の本心を明確に汲み取って、
こういう自分でいいんだ、大丈夫なんだと信頼してあげることから変化が始まっていきます

どこか劣っている、と思いながら生きてきた

私自身、自分はどこか人間として劣っている、どこか欠陥があるとおもっていて、
だからこそ他人は完璧だし優秀だし何でもできるし、そういうもんだと感じてこれまで生きてきました。

劣等感とかそういうもの以前に、もう生まれてきた時からそう! っていう感覚。
私はダメなんだ!っていう。

でも、私と同じように他人にもそれぞれ事情があるし、
良いところもあれば悪いところだってあるし、
それが当たり前だし。

みんなそれを飲み込んだ上で、それぞれの事情を抱えて生きている。
頑張ってないように傍から見えても、その状態がその人の、現時点で出来る精一杯だということ。

自分を好きになるとか認めるとか、
そこに至るまでの土台として、
プロセスとして上記みたいな思考を刷り込んで自分のものにしていく。

プラスの思い込みにしていくことからスタートするのかな、と読んでいておもいました。