5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ

書評

オードリー若林氏のキューバ一人旅エッセイを読みました!

前作がとても面白かったので期待大。
読みたい読みたいと思っていたら大学時代の先輩が粋な方法で贈ってくださり、わくわくしながら読みましたよ。
若林 正恭 KADOKAWA 2017-07-14
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導入部分からしてもう面白い

言葉運びというか、本心の自分と建前の自分で対話しているような書き方がとても自然で、
読ませる力があるなあとおもいました。
何者かに「行け!」と言われているような気がした。

 

どうしてオードリー若林がキューバ旅行なの?

と終盤まで不思議でしたが、最後まで読むとわかります。

この人は度々自分のことを箸にも棒にも引っかからない人間だとこき下ろすけど、
学びたい気持ちや吸収する力は人一倍あるし、人にわかりやすく伝えるのにも長けてる
読んでいてそれがわかります。ますますファンになった!
5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ。同調圧力と自意識過剰が及ばない所までぼくを連れ去ってくれ。

 

キューバとキューバ革命とチェ・ゲバラ

恥ずかしながらキューバという国についての知識がゼロです。

チェ・ゲバラもカストロも名前を聞いたことがあるくらい

キューバ革命? なんだそれは? 世界史で習った?

自国の歴史にも乏しい私には厳しい話です。

でも、知識がなくてもすらすら読めました。

キューバにある革命博物館には、ゲバラやカストロの写真、実際に彼らが乗っていた戦車や船が展示されていたり、対アメリカの風刺画があったりするらしい。

それらから受け取ったもの一つ一つを丁寧に吸収して、感じたことを文字に落とし込んでいるのが伝わってくる。実際にその場の空気の匂いがわかるみたい。

作中では、ゲバラの名言も紹介されています。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?
あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

 

命をつかう生き方をしたいですね。

街の匂いがしてくる

なんとも手垢のついた表現ですが、
まるで実際にその場にいるような、現地の空気感が伝わってくる文章に心打たれます。

一冊読んだだけでキューバを旅行して帰ってきたみたいな感慨に浸れる

良い文章って読んだだけで音が聞こえてくるし、

感触も匂いもリアルに感じられることがある。まさにそういう文章の中に溺れた。

そして、どうして『若林がキューバ旅行なのか?』

私は芸人としての、テレビというフィルターを通した彼の顔しか知りません。

けれど、実際にどういう思いで生きているのか、

仕事を抜きにした生命感が文章に現れていて、前作とはまた違った趣を味わえました。

人生、中の上でも充分なのかもしれません。

 

 

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